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株式会社マザープラス 代表取締役社長 巽房子の想い

■私の夢

私の夢は、子どもという未来を授かった事、

そしてそれを常に見守ることができる立場にあれること、世界中のママがそれらを、最高の喜びだと思える世の中にする事です。

 

■私の原点

お腹に赤ちゃんがいるとわかった日、今までの人生で味わったことのない、大切な存在に嬉しくてたまらなかった事を鮮明に覚えています。

お腹に一緒にいた日々は元気で産まれて来てねぇと、毎日祈っていました。

その後、この世に生を受けた我が子との対面は、この上ない、ママにならせて頂いた事の、感謝しかありませんでした。

同時に、この子を命がけで守っていくと誓った瞬間でもあり、 目の前の小さな命のためなら何だって出来ると思えた瞬間でもありました。

改めて、こんな想いで両親は私を育ててくれたのだと、我が子の出産を通して両親への感謝も湧き上がって来ました。

今から10年前、ママになって2年が過ぎたころ、 第2子が生まれました。

子育てに少し余裕が出て来た事もあり、自分の将来の事を考えるようになりました。

ふと、2ヶ月の次男に授乳しながら、こんな事が頭を過ったのです。

「この子がある程度、私の手から離れる頃、私は優に40歳を超えている。

そこから何かしようとしても、社会の流れに私自身ついていけるのだろうか?」と言葉に出来ないくらいの不安に苛まれました。

それからです。 私にとっての、ママとして・一人の女性としての自分探しが始まりました。

子育てをしながら、社会と繋がりを持ちたい。 最初は、私自身の小さな枠組みからのスタートでした。

 

 

■起業

まず、最初に始めた事は、自宅で小さな赤ちゃんとママに向けた教室をする事でした。

私が小さい頃、母が朝起こす時、必ず「大きなれ~大きなれ~」と体をさすられながら起こされたものです。

自然と自分がママになっても、同じように息子にしていました。

その現代版がベビーマッサージという手法だと知り、子育てに自信を持ち、より子育てを楽しんでもらえたらと、ベビーマッサージ教室を主宰しました。

自宅教室は、次第に口コミが広がり、おかげ様でたくさんママと携わりました。

ママ同士の交流にもなり、ママ同士のグループが出来、たくさんのコミュニティーが生まれてきたのです。 そんな中、様々なママの持つ、とてつもない内発的なポテンシャルに出会いました。

一方で心の葛藤も耳にしました。

ママならではの心の叫びでした。

それは、私が次男にお乳を上げながら、ふと感じていた焦りと全く同じでした。

私はこのお話を共感するだけで終わらせていいのだろうか?と思い始めたのです。

 

ママになったからこそ、社会のお役に立てることがあるのではないか?

このママたちを誰よりも応援する会社を作ろうと、自宅教室を2年経て会社を設立しました。

多くの人から、どうやって会社を成り立たせるの?キャッシュポイントは? など聞かれ・・・誰しもが心配する起業でした。

正直、私もわかりませんでした。

ただ、子どもを持つママのチカラはすごいという事を、 何らかの形で、表現したかった事こそ、私の起業家精神の原点なのです。

世の中のママが抱えている様々な問題意識を教材化して、 共に学び合い・語り合う事で、子育て中のママがほしいもの、叶えたい夢が、 経済や文化となり、そのお金を必ずママに大きく循環させる。この一心でした。

 

 

■最初の試み~ママの気付きという神との出会い~

そんな中、ママ友にヒントをもらい、一日だけのママの手作り市を企画したのです。

最初は、ママにたとえ3万円でも稼ぐ仕組みを作りたいと考えた事業でした。

出店するママは、家族の協力のもと、子どもと一緒にお店番をし、 ママのいきいきした姿を、背中で伝えています。

ママだからこそ出来る事を、一人ひとりのママが家庭と仕事を両立しながら、 一人の女性として、生きがいを発見して毎日いきいきと過ごしています。


わずか3万円と思っていた仕組みは、回を重ねるごとに、 どうしたらもっと売上が上がるかなど、出店者さん一人ひとりが研究に研究を重ね、 今では立派な起業家になっているママを、数多く排出している、道のはじまりとなりました。

私たちの役割は、縁の下から、ママからの、ほうえつする生活文化を応援することと、 経済的かつ文化的な動機付けをしているだけです。

本来、ママには子どもたちの主観、客観、全ての感情を包み込む力があります。

この気持ちを展開すれば、全ての人々に対して、新しい取り組み方の、方法が提案できるのではないかと考えました。

この手作り市は、そんなママの包み込みの観点で、子どもの身の回りのモノはもちろん、 一つひとつを具体的な生活文化として育てるようなモノづくりを披露する『ママの博覧会』となって行ったのです。

ママ一人ひとりが主体になり、ほうえつする生活文化の主人公になる、会場全体に渦巻くパワーは想像をはるかに超え、湧き上がるママの笑顔が飛びかう場として育って行きました。

 

 

 

■一億総括躍社会。

すべてのママが活躍する。 社会と繋がりを持ち、社会にパワフルに関わる!

これらは、決して現在の産業社会の歯車のひとつになり、お金を稼ぐ事だけではないのです。

いきいきとママが自分らしい生活を送りながら、社会と繋がる事が出来る。 それを多くのママに、気付かされました。

 生活を送る中でたくさんの商品から、どれを買うか? 家庭の主婦であるママ達が、選択権・決定権をほぼ持っています。

それらの決定権を持つママが、商品を選ぶ観点を安さや便利さというものから、 『将来世代に生きる子ども達のために』という観点に変わったら、 企業はそれらに合わせた、モノづくりをすることになるでしょう。

食器洗い洗剤、一つ考えて見てもそうです。

界面活性剤を山盛り使った洗剤で洗う食器は、きれいになるかもしれません。

しかし、その流した水が川を汚し・海を汚し、やがてそれら汚れた海で捕れた魚が、食卓にあがるのです。

そんな結果を望むママがいるとは思えません。 今は、自分たちが思うような商品がないから、ある中で選んでいるだけに過ぎません。

私たちママがほしい洗剤のコンセプトは、 ・食器をきれいにしたい。 ・でも水は汚したくない。 ・もちろん生態系に影響を与えるものは成分に入れてほしくない ・できれば、今汚れている水さえも、きれいにしてくれる夢の洗剤がほしい。

ママ一人一ひとりが声をあげ、集団になり、やがてネットワークになることで、 そこから生み出されたコンセプトは、今まで、企業が作った様々なものから、 消費者が考えたものをメーカーが喜んで作り・売る・・・という構造に変わっていくに違いありません。

ママが考えたコンセプトで出来たモノ・コトなどに、ママにさらに価値を見出すアワードのようなことも創造していきたいものです。

ママ一人ひとりの声をくみ上げ集めたものが、やがて企業を動かす声になる。

そこから生まれたモノ・コトなどに価値を見出すアワードを付ける事でママへの価値が高まるというストーリーを創造していきたいものです。

それら、ママが持つ問題意識は、日常の様々なものに同じ事が考えられます。


そして、世世代々、将来世代に誇れるモノがママのほうえつした生活文化の中から生まれるのです。


今はまだ、ママ自身がそれに気づいていない部分もあります。

しかし、ママがそれに気づき、自信を持って自分たちが社会を変える力を持っていると 信じて動けば、その姿を見た子どもたちの目は必ず変わってきます。

そんなママを見て育った子どもたちは、自然と自立した心、考える力と、生き抜いていく人間力が養われて、立派にこの日本を背負っていく、大人になることでしょう。

生活のプロである私たちママが、家庭のママだからこそ、 ママがママのままで社会を変えていけるのです。

 

■気付き

全世界、全人類の厳粛な共通の事実があります。

それは、ママから生まれていない人間はいないという事です。

ママは、この上ない慈愛の中、我が子を日々育てたいと願っています。

私は、この8年間ママが誰を向いて生きているのかを、様々なママを通して感じて来ました。

すべては子ども達のためなのではないでしょうか?
 しかしながら、日本という国ひとつ見ても、年々、個人主義のような風土になり、自分さえよければ的な、発想になっていませんか?

本来、日本は集団で全体をたえず見て行動し、それらの中から文化を学び世世代々受け継がれている民族です。

今現在、様々なモノが便利になり、価格競争でお互いが痛めつけ合いをしている世の中、すべてファストになり、日本の素晴らしい文化が薄れて来ているように感じています。

それらを私たちママが、みんなでより良い、公共する社会を創るために 私たちママが立ち上がらないといけないと思うのです。

ママ、一人のチカラは小さいかもしれません。

しかし、私たちママが一人ひとり手をつなぎ、子どもたちの未来のために、 社会を変えると、本気で行動することで、必ず社会は変わるのです。
 また、私たち日本という先進国で生まれ育っている人間の、役目も一緒に考えませんか?

他国では、 小さい子どもが銃を持って、大人と一緒に戦争しなければならない現状があります。

毎日何千人という子どもが飢餓で、亡なくなっている国もあります。

そういった現状を目にするたび、私は心を痛めて来ました。

もちろん、他の多くのママも、同じように感じているはずです。 どこのママが、我が子をそんな危険な目にあわしたいと望むでしょうか?

本来なら自分の食べるものも我慢してでも、子どもに生き続けてほしいと、 望むのがママの姿だと思うのです。


それさえもできない この現状を、同じ子どもを持つママとして、人ごとと、捉えていていいのでしょうか?

このような現状を変えていくには、途方も無い時間とお金がかかると思われます。

しかし、私は、また別のアプローチもあると思うのです。

それは全世界のママの、良心を動かすことです。

最初は、大阪の港区から発信した、一人のママの小さな声でした。

起業して以来、同じような志を持つ、ママたちが各地にたくさんいることを知りました。

こんなパワーのあるママたちと一緒に手を組んだら、どんなに、日本は変わるのだろうと、考えただけでワクワクしてきました。

私たちは「ママの夢サミット」というフォーラムを開催しています。

これは、夢を持つママたちがお互い刺激しあって、夢を現実にしようというものです。

ママ同士が横のつながりを持つことで、思わぬスピードで起業されたママもたくさんいます。

私はそのようなママたちと一緒に社会を変える、スパイラルを創造したいと願っています。

これらママの集団のパワーが、個人から地域へ、地域から世界へ、 繋げていくママパワーのスパイラルは、世界各国どこでも応用できることではないかと、 思いだしたのです。

ママの抱える問題はそれぞれ違っていても、 子どもたちの未来を願う気持ちは万国共通です。

私がマザープラスで実現したことは、 世界のどこにでも実現できるのではないか? そう思うのです。

その地域、その国にあったママの問題意識こそ教材にする、 マザープラスのようなママを誰よりも応援する、集団や文化を作りたいと思っています。

最初は身の回りの問題でも、それは必ず続ける事で、その地域や国の子どもたちのためになっているはずです。

そういった動きを全世界に発信して、世の中のママ達が助け合える、 ママになった事で出来る事を、共感して行きたいと考えています。

全世界のママが、全世界の子どものママになれば、今すぐ戦争などすぐに終わるでしょう。

こういった取り組みが進めば、日本国内での一億総括躍という認識を超え、 世界のママたちがみんな活躍できる、百億総活躍社会がやってくるのではないでしょうか。

 

■将来世代と共に

創業当時、ここまでの事など想像も出来ませんでした。

ママのパワーがスゴイという事だけを、信じて言い続けたことにより、 仲間が増え、ホントにママが集団になる事で、ママパワーで社会を変えられるかも?と実感し出しました。


世界中のママがそれぞれ主人公になって動き、 またママ集団として、パワフルに様々な問題を抽出して解決する未来は、すぐ近くにあると確信しています。

今後、一年以内に、日本国内のママのネットワークや、ママ集団と、手をつなぎ、 日本のママの力を、結集したいと思います。

次に、三年後を目処に、日本と文化の近い東アジア諸国と、ママネットワークを作りたいと思っています。

そして五年後にはインドへ。 そうなれば、自然発生的に世界各地で、ママのネットワークが広がっていく事が、 実感されるでしょう。

ママ同士の個人的なつながりが、世界に広がっていく。 すべては、未来の子どもたちのために・・・。

 

 

■結び

私がママになって12年が経とうとしています。 おかげ様で、息子たちは中学1年と小学5年に成長しました。

この12年間、時を刻むごとに、ママであり続けることへの、 幸せと感謝が積み重なっている日々を、過ごさせて頂いています。

『ママであり続ける』、これは私にとって、どんな地位や名誉より、どんな仕事の成功より、 ママをさせて頂いている事の喜びに、勝ることものはないと感じています。

ママは、毎日24時間フル稼働できます。

ママは、常に全体を見て、最適を考えて立ち居振る舞いができます。

ママは、自分より大切な子どもという存在に出会えています。 だからこそ、 子どもたちの未来のために、立ちあがり 子どもたちの未来のために、希望を持てる社会を創りましょう。

私たちママの前に道はない。

私たちママの後に道ができる。 世々代々、子どもたちと共に世界中を公共する文化の道が出来るのです。

 

2016年05月14日~京都フォーラム~

株式会社マザープラス 

代表取締役 巽房子